オゾンの安全性
オゾン(O3)は、地球が誕生したときから自然界に存在していたともいわれています。 地上では日光、特に紫外線の作用により空気中の酸素分子が変化してオゾンが発生し、海辺や高原では0.01ppm~0.04ppm程度存在しております。
オゾンは常温では無色で特有のにおいを持っており、このにおいは0.01~0.02ppm程度の低濃度でも十分人間の鼻で感知できます。日本においては、1985年に日本産業衛生学会より、オゾンの許容濃度等の勧告値として0.1ppmが示されています。これは、1日8時間、週40時間程度の労働時間中に、肉体的に激しくない労働に従事する場合の暴露濃度の算術平均値が、この数値以下であれば、ほとんどすべての労働者に健康上の影響が見られないと判断できる濃度であるとされています。オゾンの暴露濃度とその生理作用については次の関係があり、人間がオゾン濃度を感じる程度の低濃度から生命が危険な状態となる高濃度オゾン領域まで存在します。
しかし、オゾンを空気中に散気したり、水中に溶かした場合、オゾン(O3)は酸素原子(O)を分離していろいろな物質と反応を起こし、さらに酸素(O2)として還元されます。
このように、オゾンが有する酸化反応後の無公害性、あるいはすぐに分解してしまう持続性の無さがオゾンの持つ特長であり、また欠点でもあるのです。
図:暴露時間とオゾン濃度が人体に与える影響